こんにちは、みのんです。
今回は知識がなぜ重要なのか?についてお話します。
以前、「知識の重要性」についてこんなツイートをしました。
大抵の知識は調べれば手に入るので「覚えても無駄なのでは?」と思った事もありましたが、知識として定着していれば1秒で引き出せる情報も、0の状態から調べて理解するには1分は掛かるし、複雑な情報であればその差は100倍、1000倍と広がるよなあ、と。知識は「思考の速さ」を生むためにも重要ですね。
かなり賛同を得られたので、記事でもう少し「なぜ知識が重要なのか?」について深掘りしていきたいと思います。
知識は「速さ」を生む
先ほどのツイートでも述べたように、知識は「速さ」を生みます。
知識として定着していれば1秒で引き出せる情報も、0の状態から調べて理解するには1分は掛かるし、複雑な情報であればその差は100倍、1000倍と広がる
例えば、以下のようなAさんとBさんが居たとしましょう。
Aさん: 知らない単語が出る度に説明してもらったり、調べる必要がある方
Bさん: 基礎知識が豊富で、スムーズに専門用語を理解できる方
AさんとBさんの間には、「理解スピード」に圧倒的に差が生まれますね。
研究室で論文を読むときに、「まずはテーマが同じ論文を読み続けようね」と後輩達に話すのは、これが理由です。
論文読むときにイントロで力尽きる人が多いようですが、最初は英語力・知識ともに不足しがちなので我慢です。注意すべきは1本目を読み終えたら、変に違う内容の論文に浮気せずに、テーマが同じ論文を読み続けることです。自然とイントロも近しい内容になるので、消費する体力を大幅に抑えられます。
似たテーマを読み続けることで自然とそのテーマに関する知識が定着し、いちいち調べる必要無くスムーズに理解できるようになります。
速さは「質」を高める
知識を付けることで得た「速さ」は「質」を高めます。
先ほどの論文の例でいけば、知識がついて理解スピードが上がることで「余裕」が出るようになりますね。
すると、知識不足で英単語や用語を理解するだけで精一杯だったころに比べ、細部に目がいくようになります。
つまり、より「深い理解」をすることが出来るようになるという事です。
「理解が深ければ、理解の質が高い」とするのであれば、知識を付けることで得た「速さ」が結果的に「質」を高めたということになります。
昔は「地頭の良さ」なんて言葉に惑わされて、知識ゼロから何かを推測することが大切なんだと思ったこともありました。でも、知識があるからこそ速く、かつ高度な推測が生まれることに気が付いてからは、「地頭の良さ」なんて発想は捨てました。たくさん論文を読むことを勧めるのはこういった理由です
知識はアイデアを生む
基本的に、アイデアは「既存知識の組み合わせ」に過ぎません。
「アイデアは既存知識の組み合わせ」という事実を知らないまま研究を進めると、ゼロからアイデアを捻り出す「発想力」が大切と勘違いしてしまった結果、平凡な考えしか思いつかず落ち込んでしまう可能性が高い。研究でいえば論文が既存知識の宝庫だけど、意外とこういう考え方を教えてくれる人は少ない
これは非常に重要な考え方です。
つまり、アイデアを発想する「思考力」は「既存知識を組み合わせる能力」と言い換えることも出来ます。
既存知識がたくさんあるほど、組み合わせ数が増えるため、新しい組み合わせであるアイデアも作りやすくなります。
パズルで一枚の絵を作るには、1つ1つのピースを組み合わないと完成しませんよね。
アイデアを生み出すためには、知識が必要不可欠だというわけです。
知識は人を謙虚にする
知識を得るために勉強を続けていると、謙虚になれます。
たくさん勉強して知識が増えると調子に乗ったり傲慢になると思ってましたが、新しいことを勉強する度に素人同然に戻って「何もわからない」「自分は何も知らない」と叩きのめされる経験をたくさんしたので、寧ろ優しく謙虚になれました。調子に乗ったり、傲慢になるのはいつだって勉強を辞めたとき。
知識が人を傲慢にするのは、勉強を辞めたときです。
中途半端に知識を付けたときが、最も危険だということです。
「知らないことを知らない」が故に、
- 「自分は何でもできる」
- 「自分は何でも知っている」
といった無知ゆえの傲慢さを生みます。
本当に博識な人はとても謙虚な方が多いです。
なぜなら、「自分が知らないことがたくさんある」ことを良く知っているからです。
知識は信頼を生む
知識があれば、他人からの信頼も得やすくなります。
もちろん、知識をひけらかすような傲慢さは信頼を生みませんが、
知識豊富で、前述したような謙虚さも兼ね備えていれば、
「この人になら安心して聞ける、間違いない」
といった信頼の獲得にも繋がります。
知識を付ける方法【やる事はシンプル】
知識を付ける方法はシンプルです。
- 勉強する
- わからない事に出会う
- 調べる
このサイクルを繰り返すだけです。
知識が豊富な人は記憶力が良いとかそれ以上に「わからない事をすぐに調べる癖」が付いている気がする。「わからない事に出会う→調べる」の流れは能動的な学びなので、記憶に残りやすい。これを繰り返すと「欲しい情報に辿り付く調べ方」も次第にわかってくるので、知識の獲得スピードも上がっていく
とにかく試行回数を増やしてください。
調べ方のテクニックもありますが、結局は試行回数を増やして自分に合った方法を見つけるのがベストです。
このサイクルを繰り返す打ちに、わからない事を調べる上で必要な知識が身につき、調べるスピードも上がっていきます。
「何を」学ぶかはとても重要
とはいえ、知識さえあればいいわけではありませんね。
例えば私のような生物系の研究者が、アニメに異常に詳しかったとしても、それほど使う機会はなさそうです。
それであれば、生化学の教科書に載っている経路にもの凄く詳しい、という知識のほうが仕事における使用頻度は圧倒的に高そうですね。
何が言いたいかというと、知識は確かに重要ですが
自分の仕事に直結する周辺知識を優先的に身につけましょう
ということです。
もっと言うと、「楽しく」出来る事であれば尚良いですね。
もし、皆がやりたがらない事を、「楽しく」出来るとしたら、それはかなりの才能なので誇って良いと思う。「やらねば」で義務感でやっている人からすると喉から手が欲しいほどの才能。人気だからと苦手な事に手を出しても結局「平均」の域に収まるだけなので、伸ばすべきは得意で楽しいことだと思う
楽しい事は義務的に行う勉強より遥かに効率よく学べますからね。
そういった知識はどこかで役に場合もあります。
先ほどのアニメの例でいけば、もしかしたら尊敬している研究者の方が実はアニメがもの凄く好きで、アニメの話で仲良くなれるかもしれません。
損をしないためにも知識を身につけよう
世の中には偏った情報や、嘘の情報もたくさんあります。
こうした情報に騙されて損をしないためにも、勉強をして包括的な知識を身につけることはとても大切なことです。
勉強をするのは「損をしないため」というのも大きいですよね。偏った情報や誤った情報も混在する中で、正しい情報を見極める観察眼を養う意味でも勉強は必須です。ただし、生半可な知識では、逆に誤った情報を鵜呑みにしてしまう可能性もあるので、包括的に満遍なく学ぶ必要があります。これが難しい。
まとめ
知識の重要性についてまとめました。
- 知識は速さを生み、速さは質を生む
- 知識はアイデアを生む
- 知識は人を謙虚にする
- 知識は信頼を生む
その上で、知識を付けるためには「疑問があったら放置せずに調べる」を徹底することが重要だということを説明しました。
また、限られたリソースを使って「何を学ぶか」も大切ですね。
これらの「知識の重要性」についてもっと学びたい方は以下の「アイデアのつくり方」を購入することを強くオススメします。
100ページにも満たない、とても薄い本の中に
「アイデア」を作るために必要十分な「本質」がぎっしりと詰まっています。
帯に書かれている「60分で読めるけど、一生あなたを離さない本」とはよくいったものです。
今回は以上になります。
この記事と関連して、研究において「なぜ論文を読むことが大切なのか」について以下の記事もぜひ参考にしてください。
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