実験データが出たら論文を読む癖を付けよう【ボスと議論する前にやるべき事】

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研究

こんにちは、みのんです。

先日このようなツイートをしました。

実験データが出た時に

①結果(事実)を自分の言葉で説明できる
②なぜその結果になったか考察(推測)できる
③考察の根拠(論文)を提示できる
④次にやるべき実験を根拠をもって提示できる

説明の上手さや考察、提案の質はともかく、④までやってくれたら指導側からすると最高に頼もしいし嬉しい

②まで出来れば十分優秀かなと思いますが、もうちょっと先に進んでみましょう。

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結果が出たら論文を読む癖を付けよう

特に予想外な結果が出た時ほどまずは論文を探しましょう。

予想外な結果が出てしまったときは

  • ミスがあったのかもしれない

と自分の手技を疑ってしまう気持ちもわかりますが

  • 似た実験系の論文はないか?
  • 自分の結果を支持する論文はないか?

といった客観的な証拠を集めておくと自分のデータの信頼度も上がります。

【補足】再現性が取れる前提で話しています

ここでは、再現性が取れて確度の高いデータである前提で話しています。

当然自分の出したデータがミスによるものという可能性も否定できないので、しっかり再現性をとってハッキリさせておくべきです。

手技に懸念があるのであれば同様の実験をやるでもいいですし、別の方法で同じ結論が導けるかどうかも確認しておくと良いと思います。

ややこしくなるのでここではあまり触れませんが、再現性は当然大切ですね。

自分の考えは一次情報(論文)で補完しよう

さて、話は少しそれましたが本題に戻ります。

自分の頭で考える事は大切ですが、科学の世界ではそれは単なる「思いつき」に過ぎません。

  • 自分と似た実験では○○といった結果になっている
  • その○○という結果を考えると自分の結果も妥当性がある

というように、専門家の審査(査読)を受けてジャーナルに掲載されている論文を根拠にする必要があります。

この考え方は卒論や修論を執筆する際にも欠かせないものですので、できるだけ早いうちに身につけておきましょう。

ジャーナルに載っている論文は

  • 複数の専門家による審査をくぐり抜けており、ある程度の信頼性が担保されている
  • 改変されていない一次情報である

といった点から情報としての質が高いです。

中には良く査読を通過したな・・・という論文もあるので注意が必要ですが、これは数をこなして目利き力を付けるよりないと思います。

なぜ論文を読むことが大切なのか?そもそも論文の読み方がわからない、という方に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

予想外の結果は「知らなかった」だけかも

「予想外の結果ありき」で論文を探してみると、意外に自分のデータを支持する論文が見つかることも多いんですよね。

例えばXという病態の時に物質Aが上がると予想しているときは、

X スペース A スペース increase

などのキーワードで検索しますが、自分がやっている実験ではAが減少するという結果が出てしまいました。

ここで「予想と違うから何かがおかしい」と思考停止する前に、

X スペース A スペース deficiency (decrease, reduce etc…)

などのキーワードで検索してみましょう。

意外と今まで知らなかっただけで論文があったりします。

それらを読んでみると、自分の結果にも自信が持てるようになります。

先生も知らない情報を持って行こう

予想外な結果が出たとき、自分で調べた論文は先生も知らない可能性が高いです。

研究に関して普段からディスカッションしていれば尚更、その「予想」はボスと共有していた予想であるはずです。

そのため、予想外の結果の場合、想定していなかったことですから、データが出たその瞬間に点に関していえば、ボスより詳しくなれます。

そこからその「予想外の結果」に基づいて論文を調べるとさらにボスが知らない情報を持つ確率が高くなります。

その情報をもった上で

  • 予想とは逆でしたが、XXXという自分の結果を支持する論文があった
  • だから○○という解釈が出来るかもしれない
  • 予想とは逆だったが、XXXの論文から○○という意義があるから次は△△をやります

といったようにボスが知らない情報を持った上で考察・提案ができると、ボスからしてもありがたいだけでなく、頼もしいと思わせることが出来るかもしれません。

何度も繰り返して身につけていきましょう

この記事やツイートで述べた考えはあくまで理想論であって、最初から簡単にできるものではありません。

あくまで個人的な体感ですが、ここまで出来る人は全体の10%以下でしょう。

僕自身も、

  • ①では「その結果からどういう解釈ができますか?」
  • ②では「その考察の根拠はなんですか?」
  • ③では「じゃあ次は何をしますか?」
  • ④では「その実験を優先的にやる妥当性はありますか?」

など厳しい指摘をくらいながらレベルアップしていきました。

それぞれのフェーズで論文を読んできても

その論文では○○という方法が使われていて、今回の結果の解釈としては適さない

といった指摘を頂きながら、細かくも大事な中身の部分を少しずつ改善していきました。

要は、行動して、その結果に基づいて修正していきましょうということです。

自分でやってみなければわからないことは多いです。

行動して、変化し続けていきましょう。

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