【研究者・大学院生】博士がオススメする研究に役立つ良書12冊まとめ【厳選】

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本記事では、僕が博士号を獲得するまでの【大学講義のレポート作成、研究室配属後の研究の進め方、研究発表スライド作成・発表準備、卒論・修論および英語論文執筆】にガチで役立った書籍12冊+αを紹介します。

本記事の内容

博士がガチで選ぶ大学講義のレポート作成&研究生活で「本当に役立った」【厳選】超良書12冊+αを紹介

経歴を簡単に纏めておくと、これまでに4つの学会発表賞を獲得し、博士学生の約20%が選ばれる日本学術振興会特別研究員DC1に採用して頂きました。

博士課程では、共著含め11報の査読付き英語論文をパプリッシュした上で生命化学系の博士号を獲得し、今年からは企業研究者として従事しております。

これらの全ての成果の根幹には「本記事で紹介する12冊を繰り返し読み、実践し続けた」背景があります。

もちろん有益な本は他にもたくさんありますが、全て紹介してもキリがないので、今回は僕の「大学生活、そして研究生活に役立った厳選良書12冊」を紹介していきます。

大学でレポート作成やプレゼンをする機会が出来た方、研究に役立つおすすめの書籍が知りたい研究室に配属されたばかりの学生の役に立つと思います。

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【大学レポート・研究】博士がガチでおすすめする12冊の良書

早速紹介していきます。

カテゴリ別での紹介だけでなく、実際にどんな場面で役立ったかを具体的に説明していきます。

レポート作成・論文執筆【卒論・修論】

論文の教室 レポートから卒論まで

研究といえば「論文」だと思いますが、論文の基本は大学の講義レポートから学ぶ事が出来ます。

学部生の方は講義レポート作成の段階からこれらの書籍を使って、レポートの書き方を学んでおけば研究室配属後の卒論や修論作成がスムーズに進みます

本書が役立つポイント
  1. 授業レポートの作成
  2. 卒論・修論の執筆
  3. 英語論文の執筆

「論文の教室」は大学入学後、一番最初に10回以上繰り返し読んだ書籍です。

大学の指定図書にして欲しいレベルの良書です。

大学で授業レポートを書く方法の基本的な部分は全て本書から学びました。

論理的な文章を書くには決まった「型」があり、ルールがある事を学べます。

特に「引用」を用いて「自分の意見」を補強する方法に関する記述は必読です。

本書を徹底的に実践したおかげで成績評価がレポート系の授業は全て最高評価でした。

本書で基本的な文章執筆方法を学んでおけば、研究室に入ってからの卒論・修論、さらには英語論文執筆までスムーズに対応できるようになります。

たまたまご友人のゆいさん(@syokuhinkintore) にもオススメしていたのですが、なんとすぐに読んで実践していただいたようです。

ツイートもされていましたが、想像より再現性良く効果が現れていたようで、嬉しい限りです(許可を頂いて掲載しています)。

研究に限らず、全ての大学生にオススメの1冊です。

理科系の作文技術

本書が役立つポイント
  1. 授業レポートの作成
  2. 卒論・修論の執筆
  3. 英語論文の執筆

「論文の教室」と同ジャンルですが、+αで文章術を向上させたい方には「理科系の作文技術」も外せません。

「論文の教室」では、「文章の上手さや分かりやすさ」というよりは、基本的な文章構成や引用のルールなどの概観を学ぶイメージでした。

満足感はかなりあったのですが何度も読んで実践できるようになると、今度はもっと細かい視点で

minon
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理系に特化した【わかりやすい文章術】をもっと磨きたい

と思うようになりました。

そう思って見つけた本が「理科系の作文技術」です。

ずいぶん古い書籍ですし、「論文の教室」に比べるとちょっと堅い書籍で少し難しく感じる人もいるかもしれませんが、【一文は短く、前後の文章の繋がりを意識する】などのエッセンス部分がコンパクトに纏まっています。

「論文の教室」を何度も読んで実践できるようになった上で「一文単位の細かいレベルで文章を向上させたい」と思うようになった方にオススメです。

理工系のためのよい文章の書き方

「理科系の作文技術がちょっと堅すぎる、難しすぎる」という方は「理工系のためのよい文章の書き方」をおすすめします。

こちらの書籍の内容を要約したツイートをしたところ大きな反響がありました。

図書館で理系用の文章指南書として必要十分な方法論がコンパクトに纏まった超良書を見つけてしまった

□ パラグラフライティング

□ トピックセンテンス

□ 既存知識を使って新しい情報を提示

等の超重要なのに8割の人は意識していない執筆ノウハウが詰まってる。卒論を書く学部生の時に欲しかった…

理系に特化した書き方指南書で、コンパクトにエッセンスが詰まっています。

「理科系の作文技術は重すぎるけど、もう少し理系に特化したレポート・論文作成の指南書を読みたい」という方はぜひ手に取ってみてください。

【2022年2月16日追記】迷走しない!英語論文の書き方

英語論文の書き方を日本語で学びたいという方に超絶おすすめなのが本書です。

2022年になって出版され、講談社サイエンティフィク様から献本して頂いたことで発見した超良書です。

Twitter にも下記のようにつぶやいていますが、個々の英文に関しては書籍以外にもDeepLという超有能翻訳ツールが存在するので、細かい英文フレーズを学ぶよりもまずは構造的文章の書き方を本書で極めることが効率的だと思います。

プレゼンテーション

スティーブ・ジョブズ 脅威のプレゼン

minon
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プレゼン技術を向上させるために「練習方法」を学びたい

文章術を鍛えた後、プレゼンレベルを向上させるために見つけた書籍です。

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僕は本書を使ってプレゼンを練習をしまくった結果、学部4年で初めて参加した学会で学部生ながら学会発表賞を頂き、合計で4回の学会賞を獲得しました。

プレゼンの天才と呼ばれたスティーブ・ジョブズから学ぶ、プレゼンが上手くなりたい方は購入必須の超良書です。

プレゼンは才能だと思っていた僕に衝撃を与えてくれた本です。

一見分厚い本ですが、プレゼンレベルを向上させる目的であれば全体の10ー20%くらいの一部を繰り返し何度も読んで実践すればOKです。

重要なポイントは、以下の2点です。

  • プレゼンは才能ではなく後天的に獲得できるスキルである
  • プレゼンの出来は「練習」が決める

中身が気になった方は、ぜひ手に取って見てください。

スライドデザイン

伝わるデザインの基本 RULE

「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」ではあくまでプレゼンスキルを磨く方法論を学びました。

もちろんスライドの作り方も説明がありましたが、理系の研究発表には向いていませんでした

そこで次に読み始めた書籍が「伝わるデザインの基本」です。

最近改訂版も出たようです。

ラボ内のプレゼン発表や学会発表、そして就活でも役立つこと間違いなしの1冊です。

僕が4回の学会発表賞や日本学術振興会特別研究員DC1への採用、そして大手企業の研究職に採用して頂けた要因として、本書で身につけた研究内容の見せ方やスライドデザイン力が間違いなく活きました。

本書には理系が研究発表をする上で必要な「デザインの基本」のエッセンスが豊富なイラストとともに説明されています。

研究発表のスライドデザインは、この1冊があれば十分です。

本書を参考にスライドを作成すれば、学会発表でも一際目を惹くスライドを作れる事間違いなしです。

大手企業研究職の就活でも「見せ方が上手い」と何度も評価して頂いたのも本書のお陰だと思います。

これらの書籍を参考に「わかりやすい研究発表」の方法を纏めた記事もありますのでご覧になってください。

課題解決

仮説思考ーBCG流 問題発見・解決の発想法

次に紹介するのは、「仮説思考ーBGC流 問題発見・解決の発想法」です。

研究室に配属されたけど「何から考えたらいいかわからない」と悩む学生必読の1冊です。

本書から「仮説思考」を学んで身につけているかどうか、で研究の進捗が大幅に変わります。

本書が役立つポイント
  1. 課題や問題の整理
  2. 新規研究テーマのアイデア出し
  3. 研究の進め方全般

教授に「君はどこでも活躍できるよ」と言って頂けたのは、本書から「普遍的に役立つ課題解決能力」を身につけられたおかげだと思います。

本書の要旨は「仮説ベースで考える事で、課題解決能力が数倍に上がる」です。

一見研究とは無関係に見えますが、研究にそのまま当てはめる事が出来ます。

分厚い書籍ですが、重要なのは「仮説思考」の概要を説明している100ページ程度なので、本書の分厚さに恐れる必要はありません。

研究に応用可能なエッセンスが詰まった研究者必読の1冊です。

イシューからはじめよ

先ほどの「仮説思考」とセットで読んでいただきたい書籍が「イシューからはじめよ」です。

本書が役立つポイント
  1. 本当に解くべき課題を見極める
minon
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仮説思考は便利だけど、全体像を忘れて視野が狭くなることがあるな・・・

「仮説思考」は1つ1つの課題を解決していくにはとても便利なマインドセットです。

一方で、細かい課題に手を出しすぎた結果、全体像をつかみ損ね、本当に大事なポイントに時間を割けなくなってしまう事がありました。

そこで役立ったのが「イシューから始めよ」です。

イシューとはここでは「本当に取り組むべき重要課題」を指します。

やるべきことは100分の1になる」という帯の文句の通り「イシュー」をいかに見極めるか、に主眼を置いています。

この「イシューからはじめよ」のマインドセットと組み合わせる事で、全体像を描いた上で仮説思考がさらに力を発揮する、という流れになります。

エッセンシャル思考

さらに仮説思考+イシューからはじめよ、に加えて読んで欲しい本が「エッセンシャル思考」です。

本書が役立つポイント
  1. 本当に解くべき課題に集中する

「イシューから始めよ」と良く似ています。

本書の主題は、イシューを見つけた上で「イシューに無関係な課題を如何に削り、集中するか」です。

「イシューからはじめよ」で本当に重要な課題を見つけ、「エッセンシャル思考」で課題に集中的に取り組み、「仮説思考」で深掘りしていく、といった流れになります。

仮説思考+イシューからはじめよ+エッセンシャル思考の3冊はぜひセットで読んでみてください。

似た部分も多いので、1冊読み終えれば他の2冊はスラスラ読めるようになるはずです。

この3冊を読んで身につける事が出来れば、研究に限らず普遍的に役立つ課題解決能力を身につける事ができます。

アイデアの発案・整理、悩み解決

0秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

個人的に超おすすめの1冊です。

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0秒思考」はたまたま本屋で見つけた書籍ですが、研究全般でものすごく役立っている本です。

本書が役立つポイント
  1. 課題や問題の整理
  2. 新規研究テーマのアイデア出し
  3. プレゼンやレポート、論文の内容・構成構築
  4. 悩み・不安の整理
  5. 「思考の堂々巡り」を防ぐ

などなど、あらゆる状況に役立つ最強の1冊です。

タイトルは大げさですが、中身を見るとあながち間違いではありません。

本書を読んで継続して実践することができれば、アイデアの発案・整理能力は数倍に上がると思います。

ここまで説明してきた、「仮説思考」+「イシューからはじめよ」+「エッセンシャル思考」の3冊とも非常に相性の良い書籍です。

本書では「紙とペンを使って思考を整理する事の重要性とその方法論」が簡潔に纏められています。

簡単にまとめると、方法は下記の3工程を繰り返すだけです。

  1. 紙とペンを用意する
  2. 左上に書く内容のタイトル、右上に日付を書く
  3. タイトルの内容にそった事柄を思いつくままに箇条書きで羅列する

非常にシンプルですが、上述したポイントにおいて絶大な効力を発揮します。

タイトルとしては「何に悩んでいるのか?」「何が課題なのか?」など漠然としたところからスタートして、どんどん紙を増やして深掘りしていきます。

本書の良いところは研究に限らず、タイトルを変えて例えば「なぜAさんとの関係が上手くいっていないのか?」など人間関係を含めた無数の問題に対して応用できる点にあります。

学部3年生の頃に本書に出会ってから、約7年間この方法論をずっと継続してきました。

僕は思考の整理速度やアイデアの豊富さ、斬新さをよく褒めていただける事が多いですが、間違いなくこの「紙とペン」を使った方法を継続してきたおかげだと思っています。

様々な場面で役立つ言語化能力を鍛える意味でも、継続すれば状況整理や説明能力が2−3倍に上がるので、本書をぜひ手に取って見てみてください。

アイデアのつくりかた

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アイデア発想に欠かせない1冊が「アイデアのつくりかた」です。

「アイデアのつくりかた」を読めばアイデアは

「既存知識」×「既存知識」

の組み合わせにしか過ぎないことがわかります。

「地頭が悪くて良いアイデアが思いつかない」と勘違いしてしまっている方に強くおすすめします。

100ページ程度のコンパクトな書籍ですし、1時間もあれば1周読み終えられるくらいさらっと読めます。

メンタルマネジメント

嫌われる勇気

「嫌われる勇気」は研究生活でストレスを未然に防ぎ、健康的な精神状態を保つ上で人生で最も役に立った1冊です。

指導教官との人間関係問題は研究生活では切っても切れない問題だと思います。

そうした問題にも非常に有用な書籍です。

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  • すべての悩みは「対人関係」である
  • 「課題の分離」で対処可能な悩みとそうでない悩みを切り分ける
  • 「他人の期待」を満たすために生きてはいけない

これらの示唆に富む話が、青年と哲人の対話形式で描かれています。

特に「課題の分離」はストレス要因を未然に排除するために、日頃から意識して実践することで習得可能な「技術」です。

研究に限らず、一度読んで「面白い」と思った方はぜひ何度も繰り返し読んで血肉にしてほしい名著です。

博士後期課程、論文執筆

できる研究者の論文生産術

博士課程へ進学する全ての学生にオススメしたい1冊は「出来る研究者の論文生産術」です。

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講談社サイエンティフィク
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修士、博士でとにかく論文を書きたいという方はまず【できる研究者の論文生産術】を読んで欲しい。

・目標を立てる

・まず書く、後で直す

・書く作業がアイデアを生む

仲間を集め毎週進捗を報告し、書かざるを得ない状況を作る等の単純だけど非常に重要なマインドセットが明快に示されています。

本書の概要は上記のツイート内容にまとめた通りです。

また、下記のツイートでまとめた博士課程での「研究進捗報告会」も本書に記載されている方法の通りに行いました。

博士課程に進学する学生必読の1冊ですので、ぜひ購入して実践する事をオススメします。

まとめ【本を研究に活かそう】

「博士がガチで選ぶ大学の授業&研究生活で「本当に役立った」【厳選】超良書13冊」

この内容で厳選した以下の12冊+αの本を紹介してきました。

どれも最低10回は読んだ本ばかりです。

何度も読んで、実践すれば「必ず役立つ」と自信を持って言える書籍を厳選しています。

人によって「合う合わない」はあると思いますが、少しでも気になった書籍はボロボロになるまで使い倒して研究生活に役立てて頂けると幸いです。

また、12冊でも多過ぎて読めないよ!という方は別に全て読む必要はありません。

「書籍は場所を取るし、重いから買いたくない」という方はKindleもオススメです。

僕も本は「紙派」でしたが、最近では電子書籍を読む媒体としてKindleを愛用しています。

実際に紙の本と比較したKindleの利点などを記事でも纏めていますのでご覧になってください。

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