生産性を高めたければ散歩しよう【たったの4分でOK】

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生産性を高めたければ散歩をしよう研究
生産性を高めたければ散歩をしよう

研究職を生業としているからか、普段から「あの実験、どうやって進めようかな」とか四六時中考えてしまいます。

ただ、毎日そんな感じだと疲れますし、視野も狭くなってしまうので週末はできる限り仕事の事は考えないようにしてリラックスして過ごすようにしていて、体力維持も兼ねて毎週ランニングするようにしているんですね。

それでふと気がついたんですが、ランニング中って不思議と研究に関するアイデアがどんどん湧いてくるんですよね。

平日考えていた研究課題の解決策がフワっと浮かんでくるイメージです。

外資系コンサルの知的生産術でも

「良い答え」というのは、ニュアンスとしては力ずくで探しだすものではなく、ごく自然に目の前に立ち現れるものなのです

と述べられていたことを思い出しました。

そこで疑問に思ったのが「もしかして運動に発想力を上げる効果があるのでは?」という点です。

しかも僕は30分も1時間も激しい運動をしているわけではなく、気長に継続するためにたったの10分しかランニングしていません。

たった10分の運動でも発想力を上げる効果があるとしたら凄く面白いですよね。

そう思って、ちょっと調べてみたところ凄く面白い論文を見つけたのでご紹介します。

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ウォーキングによってアイデア力が高まる

それが、こちらのスタンフォード大学が行った研究です(*1)。

*1 Oppezzo, M., & Schwartz, D. L. (2014). Give Your Ideas Some Legs: The Positive Effect of Walking on Creative Thinking.

この論文では、スタンフォード大学の研究チームは心理学を専攻する48名の大学生に対して、4つの試験を行いました。

各試験では、 Guilford’s alternate uses(GAU)および
compound remote associates (CRA) というテストを用いて創造性を評価している。

例えば前者のGAUは被験者に何かしらの日用品(例えばボタンやネクタイなど)を与え、その独創的な代替アイデアをできるだけ多く回答してもらう、という内容です。

評価基準としては、重複のないアイデアの数、重複のないアイデアの種類の多様さ、アイデアの希少性の高さ、アイデアの表現の綿密の4点を評価しています(*2)。

1つに限定されない多様なアイデアを引き出す「拡散的思考」を測るテストで、普段の学業や仕事で考えると、まさに「アイデア力」を測るテストと考えられそうです。

一方、CRAは被験者に一貫した共通性がないように思われる三つの単語が提示され、各単語と関連する共通の単語を発見することが求められます。

CRAでは、GAUと異なり一つの答えが定まっており、答えを引き出す収束的思考を測るテストで、こちらも学業や仕事で考えると「論理性」や「解決力」を測るテストと考えられそうです。

これらを念頭に置いた上でそれぞれの試験を1つずつ見ていきましょう。

運動中はアイデアを思いつきやすくなる

試験1では、まず被験者は座ったままテストを受けます。その後、同様の試験をランニングマシンで各個人がちょうど良いと感じるくらいのスピード歩きながら受けてもらいます。

ちなみに、「歩きながらどうやってテスト受けるの?」と疑問に思っていましたが、すべてのテストは発声によるものであるため、運動しながらであっても回答に支障は出ない形をとっていました。

その上で結果を見ていきましょう。

面白いことに、座ったままテストを受ける場合に比べ、歩きながらテストを受けた場合のほうがアイデア旅行を測るGAUテストのスコアが向上する、という結果が得られました。

つまり、僕が感じていた「運動にはアイデア力を向上させる効果がある」という感覚と一致しますね。

さて、「やっぱり僕の感覚は正しかったんだ。運動はアイデア力を向上させるんだ」と、言いたいところですが、この試験には一つ問題があります。

この試験では座って試験を受けた後に、「同様の試験」を運動しながら受けているため、
単純に試験に慣れたことで結果的にアイデア力が向上したかのように見えている」危険性があります。

要は「運動の効果ではなく、試験に慣れたことでスコアが向上しただけでは?」と疑われる可能性が残るわけです。

この可能性を排除するため、研究チームは次の実験(実験2)行いました。

今回の試験ではまず、試験1と同じように座って試験を受けた後、二度目のテストでは歩きながら試験を受けてもらいます(sit-walk)。次に、座って試験を受けた後、二度目のテストでも座ったまま試験を受けてもらい(sit-sit)、このsit-walkとsit-sitの比較を行いました

両方とも二度目のテストでは学習効果が生じますが、sit-walkとsit-sitを比較することで、学習効果はどちらのパターンでも生じるためその効果を打ち消し合い、純粋にsitとwalkを比較できるわけです。

この比較を用いても、sit-walkではsit-sitと比較してGAUスコアを大きく向上させることがわかりました。具体的には「新しく閃くアイデアの数が二倍以上に増える」ということがわかりました。

つまり、「運動に発想力を上げる効果があるのでは?」といった感覚はどうやら正しかったようです。

「アイデア力を向上させたければ散歩しながら考えると良い」かもしれません。

「たった4分」の散歩で「運動後」のアイデア力も向上する

研究チームは試験2で更に面白いことをしていて、wallk-sitのグループも用意していました。

つまり「一度運動をしたあとに座りながらテストを受ける場合でも運動の効果が持続するか」を見ています。

すると、面白いことに walk-sitはsit-walkと同等のスコアを獲得できるという驚きの結果が得られました。

すなわち、「運動中のアイデア力が高まるだけでなく、運動後の作業でも発想力が高まる」ということがわかりました。

特筆すべき点は、歩く時間はわずか4分間という非常に短い時間である点です。

個人的に在宅ワークをしているときに比べ、研究所に出社して歩きまわりながら仕事をしているときの方が頭がよく回る感覚があるのは、こうした運動の効果が関係しているのかもなあ、なんて思ったりしました。

考えが行き詰まった時はぜひ散歩しましょう。

「どこでやるか」は関係ない

残りの試験3、4では運動をする環境がアイデア力に影響を及ぼすかを検証しています。

これまでの試験ではいわゆるランニングマシーンを使ったテストでしたが、我々が普段散歩するときの状況とはちょっと異なりますよね。

そこで、より自然なキャンパス内だったり、外を歩いてもらったりする試験を実施しています。

また、その場合に純粋な運動に効果があるのか、室内から外に出た「環境変化」が発想力にポジティブな影響を与えているのかについても確認しています。

結論から述べると「アイデア力を向上させる運動の効果はどこで行っても得られる上、その効果は環境変化ではなく、純粋な運動によるものである」ということがわかりました。

つまり、在宅ワークをランニングマシーンを使おうが、外に出て散歩をしようが、研究所内を散歩しようが、どんな方法でもアイデア力の向上に役立つわけですね。

生産性を高めたければ散歩しよう

今回ご紹介した論文によると、わずか「4分間の散歩」が生産性を高めてくれることがわかりました。

むしろ激しすぎる運動は逆効果になるそうです。

たしかに、激しくスポーツしている時なんかはアイデアが生まれる暇なんてなさそうですよね。

何も30分間ランニングしてください、と言っているわけではなく、たった4分間散歩するだけです。

たった4分間であれば比較的気軽に、誰でも実践できそうですよね。

出社している方であれば、ちょっとした休憩がてら少し気持ち遠回りしてトイレに行くだけでもOKです。

在宅ワークでも少しだけ外に出てコンビニに飲み物を買いに行くだけでも達成できそうですよね。

生産性を高めたければ、散歩をしましょう。

参考にした書籍

今回、論文以外ではこちらの「運動脳」を参考にしました。

非常に読みやすい文体で運動がストレス解消、認知機能、創造性、不安感などにポジティブな効果をもたらす科学的知見が体系的にまとめられています。

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運動をすると心拍数などを上げるためにストレスホルモンであるコルチゾールが出るそうですが、運動を定期的に続けていると、運動以外の要因のストレスを抱えている状況下のおいてもコルチゾールは上昇しににくくなるそうです。

つまり、運動を定期的に続けているとストレスに強くなる、というわけですね。

他にも運動をすると頭がスッキリする要因の一つとして集中力に関わるドーパミンが運動直後に分泌されるためであるとか、面白い知見が豊富に紹介されています。

今回ご紹介したのはウォーキングの効果でしたが、ランニングのようなより負荷の掛かる運動の方が様々な側面で効果が強いそうなので、余裕がある方は普段からランニングをするとより良いかもしれません。

ただし、激しすぎる運動は逆効果とのことなので、自分が気楽に楽しめるレベルから始めていきましょう。

研究
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