【超重要】研究室に配属された学生が最初に学ぶべき論文の探し方【3ステップ】

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研究

こんにちは、みのんです。

今回は「どうやって論文を探したらいいかわからない」と悩んでいる学生の方向けに

論文の探し方」を紹介します。

内容は以前に公開した「論文の読み方」の派生記事になります。

僕が学部生の頃にこれを知っていたらな」という願望も入っているので、見る方によっては若干レベルが高い、低いはあると思いますが、対象は「研究を始めたての学部生」を想定しています。

ちなみに、「論文の調べ方」といっても目的によって調べ方が色々あります。今回は「何か実験データが出て、その結果を説明するための情報集めだったり新しい実験を始めるために参考にする論文を探す」と仮定して進めます。分野は少し広めに生物や医学系を想定しますが、自分のラボの後輩に教えるつもりで書いているので、分野的に合わない方もいるかもしれません。ご了承ください。

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研究室に配属された学生が最初に学ぶべき論文の探し方【3ステップ】

ざっと結論を書いてしまうと、論文を探すときは主に以下の3ステップを踏みます。

  1. 仮説を立てる ←最重要!
  2. 仮説に基づいて検索ワードを設定する
  3. 検索ワードの組み合わせを試行錯誤する

特に①の「仮説を立てる」が最重要です。ただ、これだけだと良くわかりませんね。

もちろん、今は全く分からなくて大丈夫ですよ。後ほど丁寧に説明していくのでご安心ください。

下準備

さて、本題に入る前にいくつか下準備をしていきます。

「もうやってるよ!」という方はこのパートは飛ばして頂いて構いません。

Google Chrome & 拡張機能をインストールする

パソコンにインストールされているブラウザ(検索する時に開くサイトやアプリの事です)をそのまま使っている方が多いかもしれません。

Windows ならInternet Explorer か Microsoft Edge、Mac なら Safariでしょうか。

特にこだわりが無い限り、検索ブラウザは Google Chrome をオススメしています。

インストールしていない方はこちらのサイトでGoogle Chrome をインストールしましょう。

Google Chrome ウェブブラウザ
Google の最先端技術を搭載し、さらにシンプル、安全、高速になった Chrome をご活用ください。

やり方がわからない方はこちらのサイトを参考にやってみてください。

Google Chrome をダウンロードしてインストールする - パソコン - Google Chrome ヘルプ

Chrome を使う理由は速度が速く、拡張機能が優秀だからです。拡張機能とは、名前の通りGoogle Chromeと連携して便利な機能を追加してくれる機能です。

その中で、論文検索でよく使う物が「Weblioポップアップ英和辞典」です。

英単語を選択すると、こんな風に英単語の意味がポップアップで出してくれます。

めちゃくちゃ便利ですよね。

導入の仕方は簡単で、Chrome ウェブストア – Weblioポップアップ英和辞典

で「Chromeに追加」を押すだけです。

すると、Chrome画面の右上に下図のアイコンが現れます。

アイコンが見えない方はChrome画面右上の下図の三点マークをクリックすると出るはずです。

アイコンを右クリック>オプション、をクリックして以下の設定に変更しましょう。

僕はマウスオーバーでポップアップが表示されるとうっとうしいので、選択状態にしたら表示されるように設定しています。

このあたりはお好みで変更してみてください。

ちなみにMacの方はデフォルトで同様の機能があるので、この拡張機能は入れなくても大丈夫です。

こんな感じで、Macの場合はトラックパッドを使って三本指で英単語をポンっとタップすると単語の意味が表示されるので覚えておくと良いですよ。

必要なサイトをブックマークする

論文を探すにあたって頻繁に使うサイトはブックマークして、すぐに開けるようにしておきます。

論文の検索には論文検索に特化したサイトを使います。

色々なサイトがありますが、特段こだわりがなければ Google Scholar をオススメします。

基本的な過去記事に書いてあるので、分からない方は軽く目を通しておきましょう。

Twitter でアンケートをとってみても、Google Scholar を使う方が一番多かったですね。

用途によっては僕は耳にした事がないサイトもコメントにありました。

気になる方はツイートから辿ってみてください。

さて、本題に戻ります。

まずは Google Scholar を開き、

右上の星マーク「☆」をクリック > 名前(Name)はそのままで、フォルダー(Folder)がブックマークバー (Bookmarks Bar) になっている事を確認しましょう。

例えば Google Scholar だとこんな感じのポップアップが出てきます。

僕は英語設定になっていますが、日本語設定でもほぼ同じポップアップが出るはずです。

合わせて、下記のサイトも便利なので同じようにブックマークしておくと良いです。

Google Scholar (論文検索)

Pubmed(論文検索)

ライフサイエンス辞書 (単語検索)

DeepL翻訳 (翻訳)

Connected Papers (関連論文の調査)

すると、Google Chrome の画面上部がこのようにブックマークしたサイト一覧が現れます。

このように頻繁に使うサイトはブックマークしておくと、毎回検索する必要がないので便利です。

ショートカットキーを覚える

ショートカットキーもある程度覚えておきましょう。

ショートカットキーはキーボードの特定のキーを押すことで特別な動作をしてくれるキーの事です。

「特別な動作」とは例えばこのツイートで紹介したようなものがあります。

Chrome だと僕はこんな感じのショートカットキーを良く使います。

論文検索に限らず、検索作業をする上でショートカットキーはある程度覚えておくと便利です。

ここで挙げきれなかったものも含め、特によく使うのは以下の5つですね。

Shift + Ctr + T:タブ復活

→間違えてタブを消してしまった時に重宝します
Ctrl + L:検索ワード入力開始

→url窓でも検索できます。カーソルを検索ボックスに動かす必要がないので検索が爆速になります
CrL + F:サイト(PDF)内検索

→ページ内をキーワード検索してくれます。拾い読みに便利
Ctr + P:印刷

→見つけた論文を印刷するときに使います。

(Shift)+ Ctr + Tab:隣のタブに移動(Macのみ)

→Shiftを一緒に押すと左隣、押さなければ右隣に移れます。

最初は覚えていなくても大丈夫です。

メモか何かしておいて、カンニングしながら実践で積極的に使ってみてください

慣れれば検索作業がサクサク進むようになります。

特に論文検索で使う上で最重要ショートカットキーControl + F です。

このショートカットキーを知っているだけで今回の本題である論文の検索作業は10−100倍になります。

FはFindの頭文字だと覚えましょう。文字通り、ページ上でキーワードを探してくれるショートカットキーです。

具体的な使い方は後ほど説明します。

論文の探し方【3ステップ】

さて、下準備が終わったら本題に入っていきます。

僕の場合、論文を探すときは基本的に以下の3ステップを踏みます。

  1. 仮説を立てる ←最重要!
  2. 仮説に基づいて検索ワードを設定する
  3. 検索ワードの組み合わせを試行錯誤する

ひとつずつ説明していきます。

仮説を立てる【最重要】

この「仮説を立てる」が論文検索において最も大切です。

ここさえ押さえれば、論文検索は80%成功といっても過言ではありません。

そのくらい、論文探しが苦手な方はこの「1. 仮説を立てる」が抜けている場合が多いです。

実際このツイートをしてみたところ、大変有用なコメントを頂きました。

本当に仰る通りで、

「論文を上手く見つけられない」という方は検索技術がないというよりは

仮説がないために適切なキーワードを設定できない状態」だと思います。

仮説の立て方

では「どうやって仮説を立てるのか」という話ですがそんなに難しく考える必要はありません。

例えば、実験をしている中で「A と B が一緒に動いているようなデータ」を得たとしましょう。

この場合、単純に「A と B が関係しているかも」という仮説を立てる事が出来そうですよね。

更に方向性を付けるとすれば、

「A が B を増加/減少させる」

という仮説を立てる事も可能ですね。

この場合「どちらの仮説がより良いか?」と言われると、後者です。

理由は仮説がより具体的だからです。

仮説が具体的だと、キーワードも自然と限定され、検索結果も意図した論文が得られるようになってきます。

仮説はできるだけ具体的に立てる

ただ、実際には最初はよくわからない場合が多く、とりあえず「A と B が関連している」みたいな仮説が最初にくる場合が多いです。

今回も説明のために、あえてこの曖昧な仮説をもとに進めていきます。

仮説に基づいて検索ワードを設定する

実際には仮説をパッと思いついたらとりあえず検索してみます。

この場合、検索ワードとして少なくとも「A」と「B」の二つが定まりますよね。

Google Scholar の検索窓に「A スペース B」という感じでAとBの間にスペースを入れて検索してみましょう。

そこで出てくる検索結果をざっと眺めてみます。

仮説の鮮明度を上げてキーワードを試行錯誤する

運が良ければ、先ほどの「A」と「B」の組み合わせで検索するだけでも宝の山のように今まで気にもしていなかった論文が見つかります。

そのくらい、仮説を持った状態で論文を調べることは強力です。

一方で先ほどの「A と B が関係している」というちょっと曖昧な仮説だと、情報が多すぎてよくわかりません。

そうなった時に初めて仮説をより具体化していきます。

途中で説明したように、

仮説は出来るだけ具体的に作ったほうがキーワードもより鮮明度が上がり、目的の論文を見つけやすくなります。 (A と B は関係がある△ → AはBを増やす◎)

「A が B を増加/減少させる」

といったように動詞や名詞を入れることで検索結果が大きく変わることがあります。

例えば単純にAとBに関係があるかも、という仮説であれば association や relationship という名詞を付けて加えると検索結果が変わって求めている論文に出会えるかもしれません。

また、AがBを増やす or 減らす、といった方向性のある仮説を想定している場合であれば、increase や decrease といった動詞を入れてみると良いかもしれません。

単語が分からない場合はライフサイエンス辞書やDeepLを使って調べてみましょう。

同じ意味の単語でも、入れ替えて試してみても変わる場合があります。

また、思い切って “A increases B” のようにダブルクオーテーション (“) で単語や文を括ってあげると「絶対検索」といってその文字列を必ず含めように検索してくれます。

ちょっと大きいかたまりでも絶対検索をすることによって目的の論文が見つかることもあります。

こうして説明されるとわかるかもしれませんが、このキーワードの試行錯誤がもの凄く重要です。

イメージ的にはコメノ ツブ (@riceyoriniku)さんが仰るように「その仮説を検証した論文があるか?」という視点で探すとかなり見つかりやすくなるはずです。

Control (Cmd) + F で論文をスクリーニングする

明確な仮説がある場合、いきなり最初から最後まで読む必要はありません。

Control (Cmd) + F を使ったショートカットキーでスクリーニングをしてきます。

自分が欲しいキーワードで論文内を検索していきます。

それでもし見つからなければ、全文を読まずとも「必要な情報はない」と判断して飛ばす事ができます。

仮説に基づいた論文が見つからない場合

これまでの論文検索の結果「AがBを増加させる」 という仮説では論文が見つからなかったとしましょう。

この場合、主な理由は「単純な見落とし」か「誰も検証していない」かのどちらかです。

単純に見落としている

特に、論文検索になれていない学部生などの場合、単純に見落としているケースがほとんどです。

後輩が見つけられなかった論文でも、僕が探すとすぐに見つかる場合も多いです。

見落としの理由は主にここまで説明してきた「キーワード設定」にある事が多いです。

これは調査時間の不足や検索能力の欠如等、色々な要因がありますが、経験を積まないと分からない細かい部分もあるので、始めは仕方ないでしょう。

ちょっとした単語の使い方や、上述したダブルクオーテーション(””)などの使用有無で変わってきます。

今回説明した方法を何度も繰り返せば、確実に精度は上がっていくので頑張っていきましょう!

誰も検証していない

相当に検索の精度が上がっているにも関わらず、仮説に基づいた論文が見つからない場合、誰も検証していない可能性が高いです。

「誰も検証してないこと」

を確認することはとても大事なことです。

なぜなら、もし誰かがすでにやっているならばそれはただの二番煎じになってしまいます。

調べもせず研究を進めて、あとで「実は誰かがすでにやっていた」となるのは致命傷になりかねません。

仮説検証型で論文を調べることでそうした時間浪費を防ぐこともできます。

こうした論文検索によってまだ明らかになっていない部分をハッキリさせて、自分がそのギャップを埋めていくことが研究の醍醐味とも言えるかもしれません。

そもそも仮説を思いつかない場合

仮説を全く思いつかない場合は、その分野に関する知識が不足している可能性があります。

その場合は、指導教官や頼れる先輩がいればその分野の重要な論文を1、2本頂いて読んでから再挑戦してみましょう。

論文の読み方に関してはこちらの記事を参考にしてください。

仮説を元に論文を見つけたら【提案をしよう】

今回で言えば「A が B を起こす」という因果関係を示唆する仮説を立てて、それを支持する論文が得られました。

ここまで出来ればあとは先生にこの仮説を検証する実験を提案できます。

「A が B を起こすと考えていて、実際に○○という論文で仮説を支持・示唆するデータがあります。だから次はこの仮説を証明する実験として△△をやりたいですが、どうですか?」

自分の意見、それを指示する論文、具体的な実験方法まで提案できたら最高です。

こうした自分の意見(仮説)から始まって根拠、方法をセットにする方法はどんな仮説を立てた場合にも有効です。

実際にやってみると凄く難しいですし、何より最初は提案が粗く、なかなかOKと言ってもらえないかもしれませんが提案できただけでも相当成長しています。

こうして提案を出来るように成ると研究は一気に楽しくなります。

まとめ

最後にもう一度まとめておきます。

論文を探すときは主に以下の3ステップを踏みます。

  1. 仮説を立てる
  2. 仮説に基づいて検索ワードを設定する
  3. 検索ワードの組み合わせを試行錯誤する

特に一番最初の「仮説を立てる」が最重要です。

仮説の立て方などの方法に関しては、僕は以下の2冊を大いに参考にしています。

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今回の記事で紹介した方法やこれらの書籍を参考に何度も検索を繰り返していけば、知識の増加とともに検索精度が上がっていきます。

コツコツと頑張っていきましょう!

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