本記事では博士号持ちの企業研究者として働くみのん(@min0nmin0n)が【3ヶ月集中特訓でTOEIC950点を獲得した勉強法】※ を紹介します。
※本記事で紹介する勉強法は、高得点帯(700点以上)で伸び悩んでいる方向けのTOEIC勉強法です。また、「英語が話せるようになる」方法ではありません。あくまでTOEICで高得点を取るために特化した勉強法ですので、注意してください。
まず結論から。
この「勉強法が役に立つ人」と「勉強法の概略」は以下の通りです。
本記事が役に立つ人
- 高得点帯(TOEIC700点〜850点前後)で伸び悩んでいる人
- 短期間(3ヶ月前後)で100点以上のスコアアップでTOEIC900点越えを狙える勉強法を知りたい人
「3ヶ月でTOEIC950点を獲得した勉強法」の概略
- 「金のフレーズ」を10周以上繰り返してTOEIC頻出の英単語を身につける
- TOEIC模試を本番通りに受ける
- 解説を見る前に時間無制限で同じ模試を受ける
- 問題を厳選して復習する
TOEICは高得点帯に入るほど点数を上げる事が難しくなりますが、高得点での伸び悩みを解消する事にフォーカスした勉強法はほとんど見かけません。
そのため、本記事は「高得点帯で800点〜900点越えが出来ずに伸び悩んでいる方」の役に立つことを目的に纏めています。
注意点として、本記事の勉強法は「TOEIC700点程度を獲得できる英語力を持つ事」を前提としています。
本記事の想定読者
- すでにTOEIC700点程度を獲得できる英語力を持つ方(大学センター入試試験7〜8割を安定して取れるレベル)
- 短期間で800〜900点越えを目指す中〜上級者
かつての大学センター英語試験でいえば7割〜8割を安定して取れるレベルがあればOKです。
逆に、700点を下回っている方は基礎的な英語力が不足している可能性が高いため、今回の勉強法はあまり参考にならない可能性があります。その点ご了承ください。
ちなみに僕の場合ですが、TOEIC新形式での過去最高点は学部4年生で受けた830点でした(大学1年生に受けた旧形式では870点が最高でしたが、新形式で難易度が格段に上がり、900点にはいかずにウロウロしている感じでした)。
今回の勉強法で新形式での最終スコアが950点に伸びたので、120点のスコアアップです。
最高点が750点前後だった友人たちにも僕とほぼ同じ勉強法を実践してもらったところ、870〜920点を獲得しており、再現性の高い方法になっています。
つまり、
すでに比較的高得点(700点以上)を獲得している方が、2−3ヶ月の集中特訓で100点スコアアップアップして800〜900点越えを狙える方法
だと思ってください。
3ヶ月集中特訓でTOEIC950点を獲得した方法【4ステップ】
方法の概要は以下の4ステップ。
- 「金のフレーズ」を10周以上繰り返してTOEIC頻出の英単語を身につける
- TOEIC模試を本番通りに受ける
- 解説を見る前に時間無制限で同じ模試を受ける
- 問題を厳選して復習する
ここからは、具体的な方法について1つずつ詳しく説明していきます。
【ステップ1】TOEIC頻出の英単語を身につける【金のフレーズ】
まず、下準備をしておきましょう。
行ってほしい事は英単語力の強化です。
TOEICは時間に対して問題量が多く、知らない単語が多いとそれだけ時間をロスしてしまうためです。
僕の場合、英単語力を強化してその効果を実感したから言えることですが、語彙力の強化を疎かにしていた点が間違いなく900点越えを阻んでいた要因の1つでした。
これから紹介する英単語帳を完璧にしておけば、リーディングパートで時間が5分以上余るレベルに到達可能な基礎力を付ける事ができます。
その単語帳が「出る単特急 金のフレーズ」です。
片手に収まるコンパクトサイズながら、TOEICを受ける度に「金のフレーズで見た!」を経験する事間違いなしの超重要単語1000語が詰まっています。
まずはこの金のフレーズを最低10周してください。
易→難で狙うスコア別で単語が分けられており、後ろに行くほど難しくなります。
僕の場合は900点超えを狙っていたので「全て」ほぼ完璧に覚えました。
個人的な意見としては、800点超えを目指す方でも「全て」目を通した方が良いと思います。
そのくらい、頻出の単語ばかりです。
10周も出来ないよ!と思うかもしれませんが、700点以上の基礎力がある方であれば、以下の方法で行えば意外と簡単です。
- 【1周目】うろ覚えなら△、全く知らない単語なら×を付けて単語をカテゴリ分けする
- 【2~10周目】△と×がついた単語だけを覚え、1ヶ月を期限として△と×が無くなるまで続ける
詳しく説明していきます。
【1周目】単語をカテゴリ分けする
1周目は覚えようとする必要はありません。
「覚えている」「うろ覚え」「全く覚えていない」の3つにカテゴリ分けします。
「覚えている」単語に関しては何もする必要はありません。
「うろ覚え」「全く覚えていない」に関しては鉛筆で△と×をそれぞれ付けていきましょう。
この作業を可能な限り早く終わらせてください。
理想は1-3日くらいですが、僕の場合は隙間時間しかなかったので1週間ほど掛かりました。
全体で約1000単語が金のフレーズには収録されていますが、既に700点以上の基礎力がある方は、この作業で△と×の数が半分以下になるはずです。
一気に覚える単語が減りましたね。
特に800点ー900点超えクラスの単語に△と×が集中するはずです。
2周目以降は、これらの△と×がついた単語だけを集中的に覚えれば良いため、グッと楽になります。
【2~10周目】△と×がついた単語だけを覚え、1ヶ月を期限として△と×が無くなるまで続ける
2周目以降も可能な限り早く回数をこなしてください。
また、期限を設けないとダラダラとやってしまうので1ヶ月を期限に行ってください。
△と×がついた単語だけに目を通せば良いので1周のスピードはどんどん速くなるはずです。
僕の場合、5周目くらいからは1−2時間でさっと目を通して1周するくらいのスピード感でやっていました。
この頃には△と×がついた単語は200−300程度になっているはずなので、可能だと思います。
900点越えクラスの単語はそもそも見たこともない単語が並んでいたりするので、少し丁寧に覚えました。
具体的には、英単語を見て英語→日本語(TOEICでは基本的に英語→日本語なので)が口からスラスラ出るまで同じページを数分以内のペースで何度も繰り返しました。
こうした細かい1周も含めると20−30周以上こなしたかもしれません。
これだけ反復学習を行えば1000単語中900単語は覚えている、そして残りの100語も馴染みのある状態になるはずです。
このレベルまで語彙力を蓄積できていれば、下準備は完璧です。
仮に期限の1ヶ月を過ぎた場合は、模試を受ける中で復習しながら覚えればOKなので、まだ不安な点があっても一度辞めて次のステップにいってください。
TOEIC模試を徹底活用する
さて、残りの2ヶ月は全て模試を解く時間に使います。
TOEIC高得点帯で点数が上がらない要因として「英語力が足りない」と思っている方がおられるかもしれません。
ですが、すでに700点以上取れる方であれば、TOEICを解くために必要な基礎能力は十分にあります。
どちらかというと、実は「TOEIC模試の活用不足」が原因である場合が多いと思っています。
模試を徹底活用すべき3つの理由
もう少し詳しく説明すると、模試を徹底活用することで以下3つのメリットが得られますが、この周辺の経験不足がTOEICで点数が上がらなくなる原因になっています。
- 本番で頻出する良質な問題に慣れる事ができる
- 本番同様に2時間ぶっ通しで時間調整をしながら問題を解き続ける集中力が得られる
- 迷う問題が出た際に「捨てる勇気」が養われる
(1)はわかりやすいですね。
(2)に関しては、シビアな時間制限の中で「どの問題にどのくらい時間を掛けて良いか?」をたたき込むことが高得点を狙う上で重要です。
その上で、(3)の「捨てる勇気が養われる」も超重要です。
どういう意味かというと、TOEICでは時間が限られた中で必ず所々で「迷う問題」が出ます。
この迷う問題に時間を使いすぎてしまった結果、「簡単に解ける問題に時間を割けずに点数を落としてしまう」という事が良くあります。
どんなに時間を掛けても解けない問題はたくさんあります。
900点を取れる方でも10問近くあるはずです。
やってみるとわかりますが、本番形式で解いて迷った問題を後で時間無制限で解いてみてもやっぱり迷いますし、間違えます。
つまり、その10問は時間を掛けても無駄というわけです。
これを予め知っておけるかどうかは超重要です。
模試を何度も受けることで迷った問題を捨てる勇気を身につけ、別の問題に時間を掛ける癖をつけておくだけで50点分くらいの取りこぼしを防ぐことが出来るようになります。
前置きが長くなりましたが、ここから模試を徹底活用した具体的な勉強法を説明していきます。
オススメのTOEIC模試の問題集【精選模試シリーズ】
使用する模試は以下の精選模試シリーズ2&3がオススメです。
本番が少し簡単に感じるくらい本番形式のTOEICより全体的に難しく作られているためです。
TOEIC公式が作成している公式問題集では簡単すぎるため、僕はあまりオススメしていません。
模試の段階で精選模試シリーズを使った「TOEIC難化バージョン」に慣れておくことで本番では落ち着いて回答する事ができます。
精選模試シリーズは全部で3つありますが、僕の場合はシリーズ2&3を全て解いた段階で本番を迎えました。
つまり全部で10回分のTOEIC模試を解いたことになります。
本番形式(重要!)でTOEIC模試を受けて安定して900点を超えるようになったのが8−9回目だったため、10回分くらいは解いた方が良いと思っています。
さて、具体的な方法ですが、まずは概要を示します。
- 模試を本番通りに受けることで「現時点でTOEICを受けたら何点取れるか」を知る
- 時間無制限で同じ模試を受けることで「TOEIC形式に慣れれば何点取れるか、何点スコアアップ出来るか」を知る
- 1と2のギャップを埋めるために必要な部分を補強しつつ1−2を繰り返す
1つずつ説明していきます。
【ステップ2】TOEIC模試を本番通りに受ける
まずはこの「本番通りに受ける」がとても大事です。
トイレ休憩や水飲み休憩もなしです。
きちんとマークシートを使って回答し、時間が来たら回答をやめてください。
家で受けるとリスニングとリーディングの間に休憩を入れたくなりますが、絶対にやめて下さい。
本番通りに試験を受け終わったら採点をします。
このとき、普通ならすぐに解説を見てすぐに復習に入るわけですがまだ解説は見ないでください。
採点だけしたら、解説を見る前に、時間無制限でもう一度同じ模試を受けてもらいたいからです。
【ステップ3】解答を見る前に時間無制限で同じTOEIC模試を受ける
リスニングも何度聞き直しても構いません。リーディングも時間無制限でOKです。
この方法で受け直した後に再度採点してください。
なぜこんな面倒な事をするかというと、時間無制限で同じ模試を解くことで時間不足できちんと解けなかった問題の復習になると同時に、「現時点で獲得できる最高点のポテンシャル」が分かるからです。
つまり、
- 本番形式では「現時点で本番を受けたら何点取れるか」
- 時間無制限では「現時点で獲得できる最高点のポテンシャル」
上記のそれぞれの方法で得られる点数から「ポテンシャルに対して現状どのくらいのギャップがあるか」を知ることが出来ます。
例えば、本番通りに受けた点数が750点で、時間無制限で解くと850点という結果だったとしましょう。
この100点差は、集中力切れや焦りによる時間不足が主な理由となって100点取りこぼしている事を意味しています。
逆に言えば、出来るだけスピーディーかつ正確に回答する訓練を積めば現時点での英語力でも、最高で850点取れる能力があることを示しています。
つまり、「本番形式で受ける→時間無制限で受ける」
このサイクルを繰り返すことで「実際の英語力と本番で発揮できる英語力を可能な限り近づけていく事」が模試活用の目的です。
また、この現時点で取れる可能性のある最高点がわかることでモチベーションアップの効果もあります。
更に別の視点で見ると、時間無制限で850点だった場合、残りの140点は時間を掛けても解けない訳ですから、現時点の英語力不足で生じる失点です。
この部分に関しても、模試を何度も受けて復習する過程で実際の英語力を伸ばし、最高点を引き上げていく事も目的の1つです。
【ステップ4】問題を厳選して模試を復習する
さて、「本番形式で受ける→時間無制限で受ける」を終えた模試はしっかりと復習していきましょう。
ただし、今回は3ヶ月という短期間で高得点を取る方法であるため、全ての問題を復習していると時間が足りなくなります。
そこで、問題を厳選して復習していきましょう。
具体的には以下の2点を集中的に復習していけばOKです。
- 本番形式で間違えてしまった問題
- 本番形式で正解したが、他の選択肢と迷った問題
採点をするときに鉛筆で△や×などの目印を付けておくと復習が楽になるのでオススメです。
700点以上取れる方であれば、全部で20−30問くらいに絞られるはずです。
また、復習をする中で「金のフレーズ」で学んだ単語で分からない単語があれば復習するのはもちろんのこと、金のフレーズに掲載されていない単語で分からない単語があればノートにメモして語彙力をさらに増やしていきましょう。
英文法を強化したい方は僕も愛用していた「1駅1題 新TOEIC TEST文法特急」もしくは「文法特急2 急所アタック編」がオススメです。
どちらか1冊を10周して完璧にすれば文法はコンスタントに8割以上取れるようになります。
どちらも手を付けたことがない、という方は青い冊子の「1駅1題 新TOEIC TEST文法特急」をやっておけばOKです。
5人くらいの友人や後輩にオススメしてきましたが、どなたもキチンとこなした方は文法で8割以上安定して取れていると聞いているので信頼できると思ってます。
こうして、本番形式で受ける→時間無制限で受ける→復習する
のサイクルをそれぞれ1日ずつ、つまり模試1回分を3日ペースで解いていくことで、約1ヶ月で10回分特事ができます。
僕の場合は毎日安定して時間を取れるわけではなかったため、余裕をもって2ヶ月を取って行いました。
このサイクルを繰り返していくことで、徐々に時間無制限で取れる点数が上がるとともに、本番形式の得点も時間無制限に近づいていくはずです。
ちなみに、僕の場合は1回目の模試を受けた時の点数が、本番形式で820点・時間無制限で920点でした。
最終的に3ヶ月後の本番で取れた点数が950点だったので、おおよそ近い点数になっていますね。
また、模試を復習しながら繰り返していくことで、英語力自体も伸びていくため時間無制限で取れる点数の最高点も上がります(僕の場合、直前の10回目の模試では本番形式で930点、時間無制限で975点まで上がっていました)。
まとめ
本記事で紹介した勉強法の肝は「模試の活用方法」です。
すでに基礎力が身についている方は、金のフレーズで英単語力を補い次第、出来るだけ早く模試に取りかかることをオススメします。
TOEICは必ずしも英語力を反映するわけではありませんし、英語を話す事を目的にしている場合にはあまり向かないかもしれません。
しかし、私のような企業研究職では「TOEIC高得点=英語が出来るヤツ」と思ってもらえる事が意外と多いです。
こうした印象は、例えば海外での仕事の機会を得やすくなるなど、仕事のチャンスの幅を広げることにもなります。
加えて、社会人になると勉強する時間も取りづらくなることから、可能な限り学生のうちに出来るだけ高得点を取っておくと日系企業では恩恵が大きいと思います。
こうしたモチベーションがあるとTOEICを勉強する上でも大切ですので、何かしらの目的を持っているといいですね。
今回の記事がTOEICで伸び悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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